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トランプゲーム『二次方程式ゲーム』

先日Twitterで,『素数大富豪』というゲームを見ました.

 

素数大富豪』について,Twitterの検索結果はこちら.

大富豪の基本的なルールは踏襲しつつ,より大きな素数を作って出さなければならない……というゲームのようです.
実際にプレーしたことはないのですが,手札によっていろいろな戦略が考えられそうですし,大富豪のもつ「弱いカードはどうやっても強くなれない」をカバーしたよいゲームであると考えています.

 

さて,『素数大富豪』のうわさを見聞きしていたとき,あることを思い出しました.
そう……自分は過去に,トランプを使った数学のゲームを考案していたのです!

今回は,そのトランプゲーム『二次方程式ゲーム』をご紹介しようと思います.
二次方程式というだけあって,高校生レベル以降の数学は必要になりません.

ルール

・遊ぶ前に

必要なもの:トランプ1組(以上)のみ
2~4人で遊べます,トランプを2組以上に増やせば5人以上も可? (未確認)
トランプの1~10はそれぞれ書いてある値として扱いますが,絵札3種類は全て「1」として扱います.

・準備

各プレイヤーにトランプを10枚ずつ配り,親を決めておきます.
残りのカードは場札として,裏向きに重ねておいておきます.

・あそびかた

親から時計回り(任意の順番)に,
ax^2 + bx + c=0 が正の整数解を持つような二次方程式をつくり,そのa,b,cにあたるカードを手札で用意します。
各項の正負は自由に決めることができます.たとえば,4のカードは4としても-4としても使えます.

二次方程式ができたら,式を発声しながら,3枚のカードを自分の前に置きます.
このとき,負の整数として使ったトランプは,横向きに置いてください.
二次方程式が作れないような場合は,場札から1枚引いて次の人に親を譲ります.

以下に例を3つほど掲げます.

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1. x^2 - 7x + 6 = 0
2. x^2 - 2x - 8 = 0
絵札は1として扱うことに注意しましょう. また,正の整数解は1つでもあればOKです.
3. 3x^2 - 8x - 3 = 0
少し難しい形も考えることができます.

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親が二次方程式を出したら,10秒数えます.
その間に,子は「二次方程式の解になるような値」のカードを持っているかどうか急いで探し,持っているならば自分の前に出します.
このとき,一番早く解を出したプレイヤーのみが受理されます.
上記1.の「x^2 - 7x + 6 = 0」であれば,1か6のカードを前に出すことができます.
上記2.の「x^2 - 2x - 8 = 0」では,4のカードしか出すことができません.
10秒の間に誰も解を出せなければ,親が二次方程式の解を出すことができます.

二次方程式の解を出すことに成功したプレイヤーは,解の値以下の枚数,手札を捨てることができます.また,「親が二次方程式を作るために場に出したカード」「二次方程式の解として場に出したカード」は,いずれも手札からなくなったものとして扱います.
これを繰り返し,手札が早くなくなったプレイヤーが勝利です.
最後の一人になるまで続けます.

簡単なFAQ

Q. 親が二次方程式を作って手札がなくなり,子が解を出してこちらも手札がなくなった! このとき勝敗は?
A. 親が二次方程式を完成させた段階で親のあがりとみなします。解を出して手札がなくなった子はその次にあがった,とみなします.

Q. 二次方程式が正の整数解を持っていなかった! or 二次方程式の解とは違う値を出してしまった! こんなときどうする?
A. 正の整数解を持たない二次方程式を出し,それが指摘された場合,二次方程式を作るのに使用したカードは全て手札に戻さなければなりません.また,ペナルティとして場札から2枚引き,親は次の人に移動します.
二次方程式の解とは違う値を出してしまった場合は,そのカードを手札に戻さなければなりません.ペナルティとして場札から2枚引きます.また,違う値を出したプレイヤー以外のプレイヤーは,引き続き解の値を出すことができます.親は10秒のカウントを途中から続けてください.

 

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以上がゲームの内容です.実際にプレーしてみると,「難しい二次方程式をつくれるか」「手札をどのように消費するか(二次方程式を作って3枚ずつ手札を減らしてもよいし,解を出しまくって手札を捨てるのもよい)」「1として扱うカードの使いどころ」など,いろいろ考えるところのあるゲームであることがわかるかと思います.

このゲームのテクニックや個人的な戦法などは,また次の機会にしようと思います.

七章 竜宮城 - 昔話攻略まとめ wiki

助けたカメの背中に乗って、乙姫などの本拠地である竜宮城に乗り込むことになる。

竜宮城では無料でHPが回復できるほか、優秀なNPCである魚たちが戦闘に加勢してくれる。シナリオ中では最も効率よく経験値稼ぎができる場所なので、今後に備えて浦島のレベルを十分に上げておくのがよいだろう。

この章のボス戦は、なんと味方であるはずの乙姫と戦うことになる。帰る理由を思い出した浦島に、乙姫が説得してくるのだ。殺生が目的ではないためか、そこまで苦戦する相手でもないのだが、この章は強制的に浦島一人で冒険しなければならなくなるため、アイテムやMPなどのリソースは管理しておくこと。

ちなみに、六章でカメを助けていない場合は、海辺まで歩いて、カメのイベントをこなさなければならない。

フローチャート

  • 釣りをしようとしたところをカメに声をかけられる。
    -そのため、何らかの釣竿は必須。竜宮城ではアイテム枠が実質1つ少ない状態になる。
  • カメに乗る。竜宮城までは一本道。
    -カメは仲間にならない。
    -この先の竜宮城とマップ「竜宮上への道」はシナリオが進むと二度と行けなくなってしまう。アイテムを取り逃したくない場合は注意すること。
  • 竜宮城につく。乙姫と会話する。
    -途中の選択肢は「カメさんが困っているようでしたから、放ってはおけませんでした」を選ぶと乙姫からもらえる褒美が少し多くなる。
  • ダンジョン「竜宮城」の探索
  • 「竜宮城の奥地」でボス戦「乙姫の説得」
    -「玉手箱」を100%ドロップする。

意識高い系昔話『ブルー・オーシャン太郎』

 むかしむかし、あるセグメントに、ワーク・ライフ・バランスを意識して未来への投資を続ける浦島太郎というノマドワーカーがいました。
 ある日、浦島がコワーキングスペースを通りかかると、子どもたちがマクロなカメを捕まえていました。そばによって見てみると、子どもたちがみんなでカメをいじめています。

「お世話になっております。マクロなカメの件につきまして、かわいそうですので、逃がしてあげたほうがベターかと存じまして」
 と、浦島は子どもたちにアプローチしました。対して、子どもたちは、
「お世話になっております。マクロなカメの件ですが、弊社が、やっとの思いで得たベネフィットでございます。どういった処遇にしようと、弊社マターではないかと考えています」と返答しました。

 見るとカメは涙をハラハラとこぼしながら、浦島を見つめています。
 浦島はバジェットを取り出すと、子どもたちにアセットを差し出して言いました。「ご返答ありがとうございます。それでは、弊社がこのアセットをペイしますので、そのカメをおじさんと契約させていただく、という落としどころはどうでしょうか」
「なるほど。それならアグリーします」

 こうして浦島は、子どもたちをコンバージョンさせるネゴに成功しました。

コアコンピタンスに問題はありませんでしたか。もう、捕まるようなオポチュニティがないようにしてください」と、ASAPでカメを海の中へ逃がしました。

 

 さて、それから二、三日たったある月のイッピ、浦島が海に出かけて魚を釣っていると、「……浦島さん、……浦島さん」と、誰かが呼ぶ声がします。
「おや? 誰が呼んでいるのだろう」
 すると、「わたしですよ」と、ひょっこりとカメが頭を出して言いました。

「お世話になっております。先日は助けていただいて、ありがとうございました」
「ああ、あの時のカメさん。ご無事なようで、フィードバックがあって安心しました」
「はい、おかげで命が助かりました。ところで浦島さんは、竜宮へ行った事がありますか?」
「竜宮ですか……、弊社ではまだナレッジ化されておりません、恐れ入ります」
「竜宮は海の底にございます。予定のほうをすり合わせて、竜宮にいらっしゃいませんか」
「海の底に行くのは、物理的に難しくはないのでしょうか。ファクトベースならばよいのですが」
「はい。ジャストアイデアですが、わたしがお連れしましょう。私の背中へ乗ってください。"潜れる化"しましょう」
 カメは竜宮をプッシュする、グロースハッカーでした。
 カメは会話のイニシアティブを握り、浦島とコンセンサスをとりました。
 浦島を背中に乗せたカメは、海の中をずんずんともぐっていきました。

 海の中にはまっ青な光が差し込み、昆布がユラユラとゆれ、サンゴベースの林がどこまでも続いています。鮮やかな景色は、パラダイムシフトが起きていました。
 浦島は周りの景色を視野にいれつつ、カメにつかまっていると、やがて立派なご殿へ着きました。


「うまくドライブしました。このご殿が竜宮です。さあ、こちらへ」
 カメに案内されるまま進んでいくと、この竜宮のエグゼクティブの乙姫が、クラウドソーシングの魚たちと一緒に浦島を出迎えてくれました。
「ようこそ、浦島さん。わたしは、CEOの乙姫です。このあいだはうちのプロパーであるカメを助けてくださって、ありがとうございます。成功フィーといってはいやらしい話になりますが、竜宮をご案内します。どうぞ、アジャイルに直帰するなんて言わずに、ゆっくりしていってくださいね」

 浦島は、竜宮の広間ヘ案内されました。用意された席に座ると、魚たちが次から次へと素晴らしいローンチを運んできます。
 ふんわりとモチベーションを上げる音楽が流れて、ポリバレントプレーヤーたちの、それは見事な踊りが続きます。
 コストリダクションもアジェンダになっておらず、ここはまるで、天国のようです。
 そして、「もう一日、ペンディングしてください。もう一日、リスケしてください」と、乙姫さまに言われるまま竜宮で過ごすうちに、三年の月日がたってしまいました。

 

 浦島は、家族やアライアンスをオミットしたことが、ボトルネックになっていました。
 そこで浦島は、ディシジョンして、乙姫さまに言いました。
「乙姫さま、今までありがとうございます。ですが、もうそろそろ家へ帰らせていただきます」
「帰られるのですか? よろしければ、このままインタラクティブなコミュニケーションを続けては?」
「いいえ、わたしをフォローする者もおりますので」
 すると乙姫さまは、さびしそうに言いました。
「……リバイズされる気はないのですね。それはおなごりおしいです。では、おみやげに玉手箱を差し上げましょう」

「玉手箱?」
「はい。この箱には浦島さんが竜宮で過ごされた『時』が入っております。ただし、この箱を一度開けてしまうと、今までの『時』が戻って、ドラスティックな変化が起きてしまいますので、マストで開けてはなりませんよ」
「はい、わかりました。ありがとうございます」
 乙姫さまと別れた浦島は、またカメに送られて、直帰しました。

 

 地上に戻った浦島は、まわりを見回して驚きました。
「わずか三年でずいぶんと様子が変わったな。環境の変化にフレキシブルに対応しているのだなあ」
 浦島が釣りをしていた場所も、イメージとのキャズムがありました。
 浦島の家はどこにも見当たりませんし、出会う人も知らない人ばかりです。

「私の家はどうなったのだろう。デファクトスタンダードに大きな変化があったのだろうか、みんなバタバタしているだけなのだろうか
……すみません。浦島の家を知りませんか」
 浦島が一人の老人に尋ねると、老人は少し首をかしげて言いました。
「浦島という人なら七百年ほど前に海に出たきり、帰らないそうですよ」
 浦島は大変驚きました。竜宮での三年はこの世の七百年にあたるのでしょうか。

「家族もアライアンスも、みんな死んでしまったのか……リスクヘッジPDCAサイクルをしっかりしておけばよかった」
 がっくりとモチベーションを落とした浦島の目に、玉手箱が入りました。
「先方の乙姫さまによると、この玉手箱には『時』を戻すポテンシャルがあるらしい。これを開ければ、自分が暮らしていた時に戻れるのではないか」
 そう思った浦島は、開けてはいけないと言われた玉手箱のほうを、開けてしまいました。

 

 玉手箱の中から、真っ白の煙が出てきました。
「これは……イノベーションだ」
 煙の中には、竜宮や乙姫さまの姿が映りました。楽しかった三年間が次々と"見える化"されていきます。
「ああ、私は先方の竜宮へと戻ってきたんだ」
 浦島は喜びました。

 しかし、玉手箱の煙は次第に薄れていきました。
 その場に残ったのは、髪も髭も真っ白の、よぼよぼのM3層になった浦島だったのです。